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- 2005.12.20
- 役に立つ?情報
今日SACRAではじめての帝王切開での出産がありました。それに関連して、よく御質問をいただく、帝王切開後の次の妊娠の分娩方式について、お話したいと思います。
帝王切開の後の分娩については、大きく分けて2通りの分娩方式があります。ひとつは再度の帝王切開、もうひとつは陣痛のトライアルを行って(TOL: Trial of Labor)、経膣分娩を行う(VBAC: Vaginal Birth after Caesarean sectionといいます)方法です。このTOLとVBACの考えは、全例に再帝切を行った場合の医療費の高騰を防ぐ目的で米国において行われていたものを日本に導入したものです。
しかしTOL/VBACを行う場合には、重大な合併症である子宮破裂が突発する危険があります。その可能性は高いというほどではありませんが、子宮破裂が生じた場合は母児の生命が非常に危険な状態になるため、米国では子宮破裂にそなえて緊急帝王切開を30分以内(できれば15分以内)に行うことが求められます。
しかし実際は、日本でそれができる施設はかなり限られます。
十分な設備と人員を擁する周産期センターであっても、365日・24時間すべての時間帯で、30分以内に帝王切開を行うことは困難なこともあります。
そのため周産期センターでTOL/VBACを行う場合も、患者さんにリスクを説明し、症例を選んで(前回の帝切理由が今回はあてはまらない、児頭骨盤不適合でない、自然陣痛で順調に進行する、児があまり大きくない)行うことが多いです。
以上の理由から、SACRAでは母児の安全性を優先して再度の帝王切開をお勧めすることになります。
そしてTOL/VBACをご希望の患者さんは、奈良医大に紹介しています。
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- 2005.12.18
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- 2005.11.24
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- 2005.11.19
- 日々の出来事
クリティカル・パス(クリニカル・パスとも言います)ってご存知ですか?
これはもともと産業界から来たクオリティーコントロールの手法のひとつで、医師、看護師、コメディカルが連携するチーム医療の中で効率的に治療・ケアを行う為のスケジュール表のことです。患者さんや御家族の方も、このスケジュール表に基づいて説明を受けることが出来るので、退院までの経過が理解しやすくなって、医療への参加意識も芽生えるメリットがあるといわれています。私は大学病院に勤務していた時代に、その導入をはかる院内の委員を務めておりましたので、そのメリットをよく承知しております。
現在まだ病棟がオープンしていませんので、午前と午後の外来の合間など、比較的時間があります。その時間を利用して、クリティカル・パスとそれに伴う種々の書類を作成しています。
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- 2005.11.15
- 日々の出来事
今日で開院から2週間となりました。11月もはや半ばとなり、日中はさほどでもありませんが、朝晩は寒さを感じるようになりました。皆さんもお風邪など召されませんようにしてくださいね。さて今日は、開院日に来ていただいた方が再診していただける例が多かったため、午前の外来はいつもよりやや混雑気味でした。
さて、最近聞かれることが多いのが妊婦さんのインフルエンザ予防接種についてです。ご存知の方も多いかも知れませんが、アメリカでは特に妊娠末期では推奨されています。日本では「接種の有益性が危険性を上回ると判断されるとき云々・・」となっています。どうするかは最終的にはご自身で判断いただくしかありませんが、「稀ですが副反応があること、有効率がいまひとつ(昨年は20数パーセントとか)であること、他に予防方法が無いわけではないこと」を考えると、「妊婦のご自身以外は家族全員予防接種を行う。ご自身は人ごみに出かけず、マスクとうがいを励行して、かつ規則正しい生活をして抵抗力を低下させない」ことも1つの方法かもしれません。ただ学校や幼稚園の先生などをお続けの妊婦さんは、高頻度にインフルエンザウイルスに接触する機会が考えられますので、予防接種を考えてもいいかもしれませんね。
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- 2005.11.11
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